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剪定について思うこと


植木の切り方に絶対的なものはありません。プロである植木屋さんでも、職人によって少しずつ切り方は違うものです。 しかし一つだけ共通していることは「木に負担をかけず、美しく切らなければならない」ということです。

そこで私が勝手に思う「剪定の基本」は、次の3点です。
@ 木を切る季節を間違わないこと
A 木を切り過ぎないこと
B どこを切ったか解りにくく切ること
それでは簡単に説明させていただきます


@ 木を切る季節を間違わないこと

木には常緑樹もあれば落葉樹もあります。春に花を咲かせる木もあれば、秋に花を咲かせる木もあります。さらには、針葉樹もあれば広葉樹も…。 それらの違いにより、本当は樹種毎の年間ライフスタイルも異なっているのです。木を切るタイミングを間違うと、徐々に樹形は悪くなり、樹勢を弱らせてしまうこともあります。



A 木を切り過ぎないこと

お客様がよく言われるご注文の一つに、「伸びて伸びて困るので、とにかく木を小さくしてください。」というものがあります。中には、葉も枝も無く、 幹しか残さないように切って欲しいとのご要望もあります。例えるならば、街路樹のようにバッサリと切って欲しいというものです。(街路樹の場合は予算的な問題や、 近隣からの苦情など制約がありますので、仕方の無い面もあるのですが。)
しかしながら、
木は切れば切るほどよく伸びるものなのです(元気な時だけですが) 。なぜなら木にとって「葉」は、生きていくうえで必要なものなのだからです。ですから沢山の「葉」を切り落とされると、必死になって「葉」を取り戻そうとしてますます繁るのです。 すると、また強い剪定、繁る、強い剪定・・・この繰り返しとなり、やがて木は弱っていくのです。基本は、木の下から空を見上げた時に、空がまばらに見える程度で良いのです。


B どこを切ったか解りにくく切ること

こちらはやや専門的な話になりますが、枝のどの部分をどのように切るかという問題です。私が思う一番美しい剪定とは、「切り口が見えず、 どこを切ったか解らないのにスッキリと仕上がっている」というものです。いかにも「ココを切りました」ではプロとしては失格です。



私は上記のような思いで剪定作業をしてまいりましたが、木の健康や樹形の美しさを考えると最善の樹木管理方法は「年間管理」というものです。詳しくは、「樹木の年間管理」のページをご覧下さい。